今回ご紹介するのは伊豆半島の南側にある室岩洞と呼ばれる洞窟です。まるでゲームに出てくるダンジョンのような雰囲気をかもしだすこの場所は、手掘りで掘削していた跡の残る興味深い史跡でした。
見落としやすい簡素な入り口
伊豆野半島の南部の海岸近くを走っていると道路わきにひっそりと「室岩洞」の立て看板がある。まるで工事現場にあるような看板なので見落としてしまいそうです。
あまり大きくはないですが駐車場があるため車でも来ることができます。
バイクを置いて看板の奥に進んでみましょう。
崖を下るような急な階段が続きます。
どうくつが見えてきました。これが今回の室岩洞です。
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手掘りの跡が残る採石場跡
ゲームのダンジョン感が入り口から漂いワクワクします。均された天井や壁は人口の感じがしますね。
と思っていたらライトアップされた人型にビックリ。説明文を見るとこの洞窟は、凝灰岩でできており、その石を切り出すために使われていた場所ということでした。
天井や壁に残るこのデコボコとした波上の模様は当時のノミで削り出した跡というわけです。全て手掘りというわけですから凄い。当時のノミのサイズまで想像することができますね。
この当たりの石は伊豆石といわれ、耐火性に優れたいた為蔵や倉庫、基礎材として重宝されていたようです。
削り出した石はこのような統一規格のサイズで使用されていたようです。統一規格って大事ですよね。
それにしても洞窟内に何体かこの像がライトアップしてありなかなか不気味であります。
室岩洞を探検
この洞窟の歴史がわかった所で奥に進んでみましょう。
立って歩けるところもあれば中腰で進む必要な所もあります。ヒンヤリとした空気が漂っています。
このような小さな通り道もあり手をついて潜って進みました。
天井を見てみるとたまに石が飛び出たような場所もあります。これは溶岩の破片等が火口から飛び出した火山弾と呼ばれるもので、とても固いため掘ることができなかったもののようです。
洞窟内には水が溜まっている箇所がありました。洞窟内は地下水が滴り落ちて作業の邪魔になるため、天井に溝や傾きを付けて地下水を一か所に集めるようにしていたそうです。昔の人達賢い。
今もなお地下水が滴り落ちており雫が落ちる音が洞窟内に響きます。
こちらは近寄れない場所にある隙間から見える水たまり。レアアテイムのある隠し部屋感があります。
洞窟の出口が見えてきました。この先はどうなっているのでしょうか。
洞窟を抜けた先はなんと海でした。石を陸路で搬送するのは大変だったため、ここからは船に乗せて搬出していたようです。いかに輸送コストを抑えるかというのは今も昔も変わりませんね。
振り返って洞窟の外観を見てみるとここも削り取ったような跡が見えました。過去の人々の作業が今もなお残っているというのはなんとも考え深いですね。
これだけ面白い史跡なのになんと無料
写真でもこの室岩洞の面白さは伝わったでしょうか。昔の人々の活動の痕跡を見つつ、冒険感のある洞窟を楽しむことができる非常に良い史跡でした。
しっかり管理されているのになんと無料!私が訪れた時は休日の昼間だったのにも関わず私以外に訪れている人がいませんでした。知名度は低いのかもしれません。ぜひ伊豆方面にツーリングに訪れた際は立ち寄ってみてください。
※ 室岩洞は朝8:30から午後5:00まで中の照明がついているようなのでその時間内に訪問しましょう。中は電気が無ければ真っ暗で前述の深い水貯まりも多いので消灯中の立ち入りは大変危険です。
参考:
地図:
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