珍スポットマニアなら那須に来たからにはいかねばならない場所があります。
そちらがここ「老松温泉」です。
外見のインパクトが凄すぎる
17号線からわき道にそれて人気のない細い道を走るとポツンと砂利の敷かれた駐車場があります、
老松温泉は那須の温泉旅館が集まっている場所から少し外れたところにあります。
駐車場から5分ほど歩いて到着。ぱっと見は普通の民家ですが……
裏に回ってみると建物が立っているのが不思議なくらいの廃墟感。
崩れたガレキはそのままにしてあるアグレッシブ感。本当にここの温泉に入れるのか不安になってくる。
まずは受付を済ませようと思い、張り紙のある戸をあけて「すみませーん!」と声をかけてみる。短い沈黙の後、障子がゆっくりと開きこたつに入ったまま寝っ転がったご老人が「はい、500円ね……」と仰るので500円を渡す。写真を撮りたかったのでご老人に聞いてみると
「なんでもしていいから!!代わりに終わったら電気を消して窓は閉めてよ!絶対ね!!!!」
とかなりの剣幕で電気を消すことと窓を閉める事を注意された。あんなに怖い顔で言われると指示に従わざるをえない。
室内の老朽化も激しい
では廃墟のような建物に恐る恐る入ってみよう。
入り口を入って驚いたのはこの味のある螺旋階段。今時なかなかお目にかかれない。
ここから先は土足厳禁です。
壁には噴煙を上げる山の絵と掛け時計。時計はちゃんと現在時刻を指していた。
立派な階段を降りるとまるでホラーゲームのワンシーンで使われそうな廊下が出現。
薄暗さと相まって雰囲気があります。
壁紙は剥がれ、天所は剥げ落ち……
床はベコベコに沈みます。
降りてきた階段側を振り返ると階段下はこのように荒れるに任せた状態。
シンとした廊下をこっそり歩いて男湯に入ります。
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最高の泉質
肝心のお湯の方は濃過ぎず、薄すぎず。良い塩梅の硫黄分を含んだお湯がトロトロと全身の疲れをほぐしていくかのような感覚は本当に幸せでした。
絶対に閉めろと言われていた窓ですが、窓を開けると外は小川が流れており川のせせらぎを聞くことができます。
こちらの温泉は飲泉することもできます。試しに飲んでみると苦すぎずまろやかな口当たり。整腸作用があるそうです。
一緒に湯船に入っていた60代の方に話を聞いてみると、その方が知る限りここの温泉は50年以上前からあったんだとか。もともと温泉旅館として営業したようで入り口の立派な階段はそのころの名残なのでしょうね。語って下さったかたはその当時を懐かしむように当時の那須周辺の事を教えてくださいました。
今にも崩れそうな外見になっても人々に愛される温泉を提供し続ける老松温泉。ぜひ那須を訪れた際は行ってみて欲しいです。
おまけ
廊下の写真は少し加工すると一気にホラー感が増す